違法ダウンロード
インターネットがこれだけ普及した現在でもいかがわしいイメージを持っている方が多いのは、違法にアップロードされたコンテンツがあふれていたせいではないでしょうか。
それは現在も存在しますが、著作権法で、違法にアップロードされたコンテンツをダウンロードすることは違法化されています。
場合によっては逮捕され、罰せられることもあります。
実際に、発売前の雑誌の記事をアップロードした人間や、地方で発売日が遅れている漫画をアップロードした少年が逮捕されています。
タダで読めることには変わりないのですが、違法アップロードは、権利者、それを作ったクリエイターに一銭のお金も落とさないという構造が問題になります。
レンタルのCDやDVDなどには、それがレンタルで済まされることによって、新品が買われなくなる分の損失補てんとして、定価にプラスした保証金がかけられています。
レンタルショップは定価より高い保証金込みの値段でコンテンツを買うようになっているわけです。
本や漫画などの図書ではそのような是正措置は行われておらず、図書館でベストセラーの貸出が多く行われることによって売上が減っているのではないかということが問題になっています。
これは専門用語では公共貸与権、略して公貸権と呼ばれ、現在でも議論が続いています。
本の値段で、あからじめ保証金を上乗せするのか、また本というのは発売直後に売上がピークでそこから落ちていくパターンが多いので、新刊を即時貸出することへの猶予期間を儲けようという話もあります。
電子書籍で配信されている漫画データは、いまのところこういった問題は生じておりません。
むしろ手軽に読める漫画データが、スキャンされて違法にアップロードされているような現状があったからこそ、作家さんが正規のルートで積極的に配信をしようという動きを持ったのかもしれません。
タブレットやパソコンなどの電子機械は大量の文字を読むような媒体、小説などにはまだ不向きですが、漫画のようなビジュアル要素の強いコンテンツとの相性はとても良いです。
無料で配信されている漫画データは違法ではないので、ダウンロードしてコレクションできます。
一度の購入やクリックで作家に入るお金は微々たるものなのが現状ですが、それでも漫画を電子書籍で読む行為がメジャーになれば、その分、ギャランティも上昇していくと思われます。
漫画と電子書籍の関係性は漫画文化を取り巻く環境を作り上げる問題でもあるのです。